観たり聴いたり

浮いたり沈んだり

松浦理英子『ナチュラル・ウーマン』

一気呵成に読みながらエネルギーを吸い取られるのがわかり、読了後には大きな疲労感が残ったが、筆者の筆力に飲まれるまま読めたことに清々しい気持ちを覚えた。 私が読んだのは1994年に河出書房新社から刊行されたもので、『いちばん長い午後』『微熱休暇』…

温又柔『真ん中の子どもたち』

日本人と台湾人夫婦の間に生まれた女性が主人公の青春群像劇。母語とは?国境とは?言葉とアイデンティティの関係や国籍、そしてなにより青春を描いた話。 イギリス英語、アメリカ英語、またシングリッシュなどのことをEnglishes と言うけれど、それ以上に多…

ほしよりこ『逢沢りく』

手塚治虫文化賞のマンガ大賞受賞作『逢沢りく』、遅ればせながら。 ほしよりこさんのインスタをたまに見てるのだけど www.instagram.com こんな風に、鉛筆の線に迷いがない。 この漫画はセリフ含めて全編鉛筆描きなんだけど、インスタ以上に繊細なタッチ、高…

妹尾河童『河童が覗いたヨーロッパ』

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」 一冊だけ選ぶならば、これ。 『少年H』の作者、舞台美術家妹尾河童が主にヨーロッパ22カ国を旅したルポエッセイ。文化庁の助成金で海外派遣されたときに旅の記録をしたためていたものが、帰国後友人たちの間で評判とな…